2012年4月22日日曜日

癌緩和5第6章


癌緩和5第6章
#5new!
【6.1】
オピオイドが効かない場合
1.増量しても鎮痛効果が得られない場合、以下の原因がないか考慮する
  a.感染症の合併や骨折などの新たな病態
  b.オピオイドが無効な痛み:異常感覚や神経障害性疼痛、帯状疱疹後神経痛(PHN)、緊張型頭痛、刺すような痛みなど
  c.限局性の痛み:胃の膨満、筋痙攣、末梢血管や消化管の虚血など
  d.オピオイドによる痛覚過敏:オピオイド代謝が亢進することによって、全身の痛みが増加する症候群
2.そのほかに考慮すべきこと
  a.オピオイドローテーション法
  b.抗不安楽の使用
  c.抗うつ薬の使用
  d.鎮痛補助薬の使用:抗炎症薬、抗痙攣薬、ステロイドなど
  e.化学療法、放射線療法、ホルモン療法の検討< br/>  f.薬剤投与経路の変更を検討
  �span>非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)
から開始し.痛みの増強に伴い弱オピオイド、強オピオイドとステッブアップしていく.この際、特別な禁忌がない限りはNSAIDsの併用は継続し、オピオイドとの相乗または相加効果を期待することが原則となっている.骨転移痛に関しては、痛みの機序が微小骨折.炎症反応.サイトカインの産生と考えられ、NSAIDsの作用機序であるCOX阻害作用は、極めて有用であると考えられる。しかし、プロスタグランジン生成阻害のみではNSAIDsの鎮痛作用は説明がつかないことも多い.おそらくは.動物実験で示されているような脊髄における疼痛伝達回路への作用や、中枢性の鎮痛作用の存在も臨床的有用性があり、炎症性疼痛と思われない病態であ� ��ても、可能な限り投与継続を原則としている。骨転移痛にNSAIDsが有効であることは事実であるが、どのNSAIDsがよいのか、その必要量や投与経路に関しての結論は出ていない。また、いずれの製剤を用いても、NSAIDsの鎮痛効果には天井効果が存在する。継続使用が推奨される一方で、NSAIDsの使用は長期化すればするはど、粘膜障害、腎、肝障害などの副作用の発現頻度は高くなるため、むやみに長期にわたり使用すべきではないとする考えもある.特に、化学療法と併用する場合、骨髄抑制や腎障害を悪化させる可能性がある。NSAIDsでコントロールが不十分または副作用の懸念が高い症例では、早めに弱オピオイド、さらには強オピオイドの使用を考慮するべきである。実際、骨転移に伴う持続痛� ��オピオイドによく反応する.しかし、突出痛が激痛である患者では、オピオイドの必要量の滴定(タイトレーション)が困難となる.突出痛自体がオピオイドに反応しないわけではない。安静時痛を抑制するオピオイドの量から、さらに副作用をコントロールしつつオピオイドを増量することで、体動時痛の強度や頻度を抑制することができると報告されている。しかし、多くの場合には、突出痛を緩和するために必要なオピオイドの量は、安静時に眠気などの副作用を出現させてしまうことが問題となる。したがって、突出痛が予想される場合には、前もって即効性かつ短時間作用性のレスキュー薬で対応することが現在可能な唯一の対策とされる.骨転移痛が長期化すると、末梢および中枢性の過敏化が引き起こされるこ� ��が知られている.
,ペインクリニック(2008),29,6,730

#5new!
【6.3.b】

骨転移痛の治療・鎮痛補助薬
●ステロイド薬
 骨転移痛に対する鎮痛補助薬の中で最も頻用されるものはステロイド薬である.サイトカイン生成を抑制する作用により骨転移痛に対して有効であると考えられている.しかしながら、その鎮痛効果に関してのエビデンスレベルは決して高いわけではない。椎体への転移に伴う脊髄の圧迫がある場合は、除圧、神経学的所見の改善に極めて有用だが、作用時間が短いことに留意が必要である. 椎体への転移に伴い、神経根の圧迫や脊髄損傷の症状が出現した場合には、痛みは神経障害性疼痛の要素が加わり難治性となる.この場合は、他の鎮痛補助薬の併用が椎奨される.

●ビスホスホネート製剤
 抗カルシウム血症の治療薬であるビスホスホネート製剤は、破骨細胞の活動性が高 い、すなわち溶骨性転移が主である腫瘍に対して有効性が高いとされる.破骨細胞の活動を抑制し溶骨性の変化を最小限とし、骨折の予防、さらには鎮痛効果があることが確認されている.特に、乳がん患者でのエビデンスレベルは高く、骨転移症例での使用は、長期フォローで、骨折の予防、痛みの緩和、QOLの向上が認められると報告されている。通常の鎮痛薬と異なり、薬物を投与した直後に鎮痛作用が認められるわけではなく、薬物によっては、投与翌日に骨痛がかえって増強する副作用もみられるため、患者への説明が重要である.本治療は、放射線治療、放射性同位元素などに並び、重要な選択肢の一つであり、特に骨折の予防は、痛みの観点のみならず、ADL低下を予防するために不可欠である。 
,ペイ� �クリニック(2008),29,6,731

#5new!
【6.3.b】

鎮痛補助薬・ガバペンチン
 がんによる神経障害痛のみでなく、骨の痛みの維持にも脊髄の過敏化が関与すること、ガバペンチンがこの中枢性感作を抑制することが実験的に証明されている。骨転移による突出痛が、モルヒネに併用した少量(300〜600mg/日)のガバペンチンにより抑制された臨床症例も報告されており、骨痛であっても非ステロイド性消炎鎮痛薬、ステロイド薬、ビスホスホネートやオピオイドに加えて試みてみる必要があろう.
,ペインクリニック別冊春号(2010),31,,216

#5new!
【6.3.b】

骨転移痛の治療・神経ブロック
 がん患者の約10〜30%はモルヒネ抵抗性疼痛であるともいわれる.これらの治療ではコントロールできない突出痛(breakthrough pain)に対して神経ブロックは有用であり、がん性疼痛管理の質をより高くする可能性がある。
 本稿では骨転移痛に対する標準的神経ブロックについて概説する、

●神経ブロックの適応

 内臓痛で交感神経がブロック標的になるのと同様、骨転移痛では知覚神経が主たる標的となる.適応となる痛みの要件としては、以下の3点が挙げられる。
�span>このことより予後も基本的には問われない。

B.症状の有無による適応
 症状との関係では、強い疼痛がある場合や麻痺の出現の場合を基本的なRTの適応とする。まず症状がない場合、画像情報などで骨転移が疑われれば、ビスフォスフォネート製剤、化学療法などの全身の薬物療法が基本的な適応となる。ただし脊椎転移で脊髄圧迫の画像所見がある場合や、切迫骨折が荷重肢である場合は局所治療が優先されようが、手術適応がないときはRTを適応する。症状出現とRTの時期であるが、疼痛に対してはまずNSAIDs、モルヒネなど各種鎮痛薬を投与しそれでも難治性になった時点で適応を考える。

C.脊髄麻痺時の選択:RTor手術?
 脊椎転移由来の麻痺がある場合、golden timeである48時間以内の場合、手術かRTかどちらの選択がよいか?逆に48時間を超え、麻痺が固定されてしまったと考えられる場合はどうか?について述べる。脊椎転移例で脊髄圧迫による麻痺の場合は、減圧手術が第1選択である。特に、物理的に骨片が飛び出して神経を圧迫するとき、急性発症の麻痺、放射線抵抗性病変、ステロイド不応例などは速やかに除圧手術を行うべきである。手術が年齢・全身状態不良・多発などの種々の理由で適応できないときにはRTを適応する。いずれにしても麻痺出現後不可逆となるgolden time といわれる48時間を超えないようにすべきである。しかしそれを超えて治療により麻痺の改善が期待できないときでも、腫瘍の制御が必要とされ得る場合はRTについては適応を躊躇しなくてよい。脊髄圧迫のある場所にRTをする場合、ステロイドを併用すべきである。
  初期は、メチルプレドニゾロン(ソル・メドロール)3g/日×3日、
  維持期には、デキサメサゾン(デカドロン)8〜12 mg/ 日
に切り替える。一般にステロイドの減量は、照射終了2週後より開始する。
,骨転移治療ハンドブック(2004),,,62

#5new!
【6.3.b】

転移性骨腫瘍に対する治療
放射性同位元素(89Sr)
 塩化ストロンチウムによる内照射療法がある。89Sr は体内で造血活性を示す骨転移部位に高率に集積し、89Sr からのβ線照射により除痛効果が得られる。効果は投与後2〜3週間に現れ、3〜6カ月持続する。骨髄抑制に注意が必要である。

        参照→【7.1.13】「ストロンチウム89(メタストロン)」

経皮的骨形成術
 局所麻酔下でアクリル性骨セメント製剤(polymethyl methacrylate;PMMA)をCTガイド下で経椎弓的に椎体に穿刺針を刺し、注入する。60〜70%で除痛が得られる。
,コンセンサス癌治療 2008夏号(2008),,,157

#5new!
【6.3.b】

脊椎圧迫骨折への経皮的椎体形成術(PVP)
・経皮的に椎体内に医療用セメントを注入することで椎体内から脊椎を固定し、疼痛を軽減する。
・治療に用いる医療用セメント(polymethylmethacrylate)は、注入後70℃以上に発熱してから硬化するため、発熱による抗腫瘍効果も期待できる。
・骨転移には放射線治療が優先されるが、疼痛に対する即効性はない.PVPは治療当日から疼痛軽減が期待できる.
●PVPの適応
・腫瘍による椎体後面の破壊や、脊柱管内へ強い浸潤のない圧迫骨折。
・腹臥位を維持できる.感染徴候、出血傾向がない。
・腫瘍が骨を破壊し椎体外に拡大していると、セメントが椎体外へ漏出し、脊髄梗塞など重度の合併症を引き起こす可能性があるため治療できないことがある. 
,緩和ケア ゴールデンハンドブック(2009),,,46

# 5new!
【6.3.b】

実践ポイント:骨性疼痛の患者を治療する
・限局した骨転移のある患者には、 strontium chloride 89を体外照射と組み合わせることによって放射線治療を繰り返す必要が減る
・多発性の骨性疼痛のある患者には全身的放射性薬剤の投与を考慮する
ゾレドロン酸(ゾメタ)パミドロン酸は溶骨性骨転移の患者の痛みに投与する。乳癌や多発性骨髄腫では、これらの薬剤は病的骨折の頻度を減少させる.腎障害の患者にはパミドロン酸を用いる
60歳を超える場合や、うっ血性心不全、腎障害、喘息、又は消化管出血の既往のある患者では、NSAIDs(骨性疼痛のオピオイドの補助的療法として用いる)の危険性の方が.恐らく効果を上回ると予想される.
,アブラム癌緩和ケアガイド(上)(2008),,,189
 
【6.3.b】
 ケタミンは、神経因性や骨転� ��の強い痛みに1〜2 mg/kg/日を持続皮下注や持続静注で投与し、眠気もほとんどなく良好なコントロールが得られる。
,ターミナルケア(1995),7,1,29

#3
【6.3.b】↓《重要です》

有痛性骨転移の集学的治療と放射線治療
 近年、有痛性骨転移の除痛の主力は急速に発展してきたオピオイドを中心とする薬物治療となっている。放射線治療はオピオイドでの対応が困難とされる体動時などの突発痛(breakthrough pain)を比較的軽減することができると考えられており、オピオイドの増量やレスキュードーズの使用を抑制できる可能性をもっている。さらに、得られた除痛効果によってオピオイドの使用量を減らすことができる可能性もある。一方で放射線治療の除痛効果の出現には数週かかることも多いので、適切なオピオイドとの併用も患者のQOLの維持には欠かせない。的確な疼痛評価に基づいて、除痛効果に合わせたオピオイドの減量も視野に入れた併用治療を計画する必要がある。
,緩和ケア(2005),15,3,194

#5new!
【6.3.b】

骨転移に対する装具療法
 溶骨性骨転移に対する治療として手術療法が選択されなかった場合、局所放射線療法やビスフォスフォネートを含む全身療法を行っても、患部は限られた余命の中で長期にわたって骨折の危険を背負うことになる。また、多発性骨髄腫などの溶骨性病変に対し全身療法、放射線照射を行って局所腫瘍のコントロールが良好な場合でも、骨形成が起こって十分な強度を回復するには通常の骨折治癒過程に比べ遅い傾向があり、3〜6ヵ月の長期間を要することが多い。このような場合、経過中に骨折を生じてQOLを低下させないよう、装具療法も重要である。しかし過剰な装具療法はそれ自身が患者のQOLを損なうことにもつながるため、患者のperformance statusや予後、患者の生活環境、心理状態、家族のサポートなど多くの要素を考慮して選択すべきである。
,骨転移治療ハンドブック(2004),,,126

#5new!
【6.3.b】

 骨転移の痛み、特に脊椎の圧迫骨折を認める場合、痛み治療を開始する際には以下の点について患者教育を行うことが大切である。
(1)痛みが軽減し、生活しやすくなること
(2)痛みの軽減と、弱っている骨の状態の改善は同じではないこと
(3)痛みがなくても重いものを持ったり、無理な運動や動きは避けること
(4)強い痛みやしびれや麻痺が、もともと痛みのあった部位あるいは下半身などに出てきた場合は直ちに主治医に知らせること
,がんの痛みをとる!(2009),,,18
 
【6.3.b】
骨シンチの集積像はなくても患者の痛みの訴えは信用した方がよい
 癌の進行期の患者の痛みの訴えは信用した方がよい。たとえそこに骨シンチの集積像を見ないときでも、骨転移と考え、MSコンチンを念頭において、疼痛コントロールを開始したほうがよい。やがて患者の訴えを追うようにして骨シンチは描かれていく。
,JIM(1992),2,6,497

#3
【6.3.b】

骨転移スクリーニング
 骨転移のスクリーニングは、現在、主に骨シンチグラフィによって行われているが、骨転移を早期に発見することによるメリットが証明されなかったということもあって、1997年にはASCOから「スクリーニングの骨シンチグラフィは推奨できない」とするガイドラインが発表された。日本においても厚生労働省研究班による「科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン」に、同様の記載がなされている。
,乳癌骨転移治療の現状と展望(2005),,,3

#1
【6.3.b】

十分効果が得られない場合は副腎皮質ステロイド
 骨転移痛には非オピオイド鎮痛薬の投与が基本であるが使用量に上限があり、オピオイド使用でも十分効果が得られない場合、副腎皮質ステロイドの使用を考慮する。
,Evidence-Based Medicineに則ったがん疼痛治療ガイドライン(2000),,,83

#3
【6.3.b】


何がいびきと睡眠時無呼吸症候群のための最高の自然な治療法です
骨転移痛の発生機序
 骨転移による疼痛出現の機序には、さまざまな要因が考えられる。腫瘍細胞の骨髄内浸潤と増殖による骨髄内圧上昇、骨皮質への細胞浸潤による骨膜の伸展刺激、腫瘍による骨破壊を起因とするサイトカインの放出、腫瘍や破壊された骨による神経障害などがおもなものであるが、いまだ不明な点も多い。除痛目的の骨転移の放射線治療で用いられる線量は、通常の腫瘍制御に要するよりもずっと少なく、放射線治療による骨転移除痛のメカニズムはいまだ明らかではない。
,緩和ケア(2005),15,3,191

#3
【6.3.b】

骨転移痛の発生機序
 癌細胞が成長するにつれて、骨髄内に分布している知覚神経は、腫瘍に圧迫され、破壊されてくることにより、ニューロパシックペインが加わってくる。この局所の組織酸性化は、これらの知覚線維を興奮させることになる。さらに、癌細胞が骨髄内に完全に満たされると細胞溶解が起こり、さらに腫瘍の成長に血液供給が追いつかなくなると、癌細胞が壊死に陥リ、更なる酸性の環境となる。最終的に骨破壊が生じて、骨の機械的強度が失われて、骨折を起こす。そうして、骨膜に豊富に存在している機械感受性線維を興奮させ、作動誘発性の疼痛を生む。以上のような多くの要因の作動により、一次求心性線維は感作される。
,ペインクリニック2006.Vol.27別冊春号(2006),27,,15

#3
【6.3.b】↓《重要です》

骨転移のADL制限:骨折予測の困難性  緩和ケアの中で、医療安全と患者さんのQOLについて悩む場面の1つに、骨転移の患者のADLがある。骨転移は多くの進行がん患者で起こってくる。特に肺がん・乳がん・前立腺がんなどで頻発するが、乳がん・前立腺がんでは骨転移発生から長期にわたり、さまざまな問題が起こってくる。
 その中で、骨転移時にどこまでの体動制限をするかという問題がある。大腿骨や骨盤、腰椎などの転移があり、歩行すれば骨折する可能性がある場合、患者の意思と安全性にどのように対応するべきであるのか。
 今後、整形外科的な研究が進めば、画像から骨転移のリスクが今以上に予想できるかもしれない。また、移動時にリハビリテーションの関与により、骨折のリスクが少ない体重の免荷が可能になっていくであ ろう。
 それでも、骨折するかどうかは多くの要素が絡み合っており、すべてを予測することは困難である。リスクのインフォームド・コンセントとともに、患者さん、ご家族の人生観、何を大切にされるかを優先して関わっていく必要がある。
 医療安全的な視点であれば、すべての骨転移の患者さんたちがベッド上安静になってしまうであろう。患者さんのQOLと医療安全の視点で、画一的なマニュアルではなく、それぞれの患者さん、ご家族の意向に沿った方針決定が必要であると考える。

,緩和ケア(2006),16,4,304

#5new!
【6.3.b】

骨転移痛/ガイドライン
 骨転移による痛みのあるがん患者において、ビスホスホネートは、投与後4〜12週では中等度の鎮痛効果があるが、投与後4週以内に鎮痛効果があるという根拠はない。また、これらは現在痛みのある患者に対しての鎮痛効果の目的で用いられたものではない。
 したがって、本ガイドラインでは、骨転移による痛みに対して、予測される生命予後を検討したうえで鎮痛を目的としてビスホスホネートを投与することを推奨する。すなわち、投与後4〜12週の鎮痛効果を期待する場合には投与を行う。一方、投与後4週以内の鎮痛効果に関するエビデンスは確立されていないため、「現在の痛み」を緩和するためにはビスホスホネート以外の 疼痛治療を十分に行うことが必要である。

【既存のガイドラインとの整合性】
NCCNのガイドラインでは、NSAIDsは脊髄圧迫のない骨転移による痛みに対して推奨されており、ビスホスホネート、コルチコステロイドは多発性骨転移による痛みに対して推奨されている。
ACCPのガイドラインでは、骨転移による痛みのある肺がん患者に対して、放射線治療とビスホスホネートの併用を推奨している。
EAPCのガイドラインでは、十分なエビデンスはないとしながらも骨転移による痛みに対してNSAIDsおよびコルチコステロイドの投与を推奨している。
,がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2010年版(2010),,,197
      ↓《注:骨転移痛治療の詳細に関しては、以下の各章を参照して下さい》
      参照→【7 .1.4】「非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)」
      参照→【7.1.5】「アセトアミノフェン」
      参照→【7.1.6.b】「エルカトニン(エルシトニン)」
      参照→【7.1.6.a】「ビスホスフォネート(ゾメタ、アレディア、ビスフォナールなど)」
      参照→【7.1.7】「ホルモン療法」
      参照→【7.1.11】「ケタミン(ケタラール)」
      参照→【7.1.12】「ステロイド(疼痛に対して)」
      参照→【6.3.1】「神経ブロック療法」
      参照→【6.3.2】「放射線療法」
      
 
 

#5new!
【6.3.c】

神経障害性疼痛の診断
 Treedeらが示した神経障害性疼痛の診断フローチャートを以下に示す。まず、次の2項目を評価する。
@神経解剖学的に明確で妥当な痛みの分布がある
A末梢または中枢の疼痛伝達系の障害を示唆する損傷や疾患の病歴がある

 最初に「どこが痛みますか」と尋ね、痛みの範囲をボディチャートに記入する。痛みの評価においてボディチャートは必須で、しかもデルマトームを理解しておくことが必要である。病歴においては、痛みがいつ頃から発生しているか、がん病変の進行程度との相関があるか、また手術、放射線・化学療法との関連があるかなどを確認する。そのほか、帯状疱疹に罹患していないか、糖尿病の既往がないかなども聴取する。
 この2項目を満たす痛みであれば、神経障害性疼痛を疑って次� �2項目の検査を行う。
B神経解剖学的に妥当な分布を示す神経学的検査の異常がある
C神経障害を示唆する確定診断のための検査異常がある

 神経学的には、痛み刺激を正常領域に比べて強く感じるか(痛覚過敏)弱く感じるか(痛覚鈍麻)、また通常は痛みを起こさない「触る」などの刺激で痛みが起こるか(アロディニア)、または感覚が鈍いか(感覚低下)を評価する。これらは、特殊な診察器具を用いることなくベッドサイドで評価が可能である。たとえば、痛覚に関する反応は先端を鈍化させた18ゲージ針などを用いて正常領域に痛みを感じる程度の刺激を加え、同じ強さの刺激を痛みのある領域に加えて正常領域より強く感じるか弱く感じるかを評価する。非侵害刺激はティッシュペーバ ーや綿花で正常領域と痛みのある領域を撫でたときの感覚の違いを評価する。
 神経障害を確定するために、たとえば脳転移や脊椎転移の硬膜外浸潤、神経叢浸潤などを評価するためにMRIやCTでがんの浸潤や転移の評価を行う。B、Cの両方があれば神経障害性疼痛と確定するが、どちらか一方だけでも神経障害性疼痛の可能性は十分あると考えてよい。いずれの項目も陰性の場合は神経障害性疼痛とは考えられず、再度病歴や痛みの範囲をチェックしなおす必要がある。

,がん患者と対症療法(2010),21,2,38

#5new!
【6.3.c】

神経障害性疼痛の発生メカニズム
 神経障害性疼痛の発生メカニズムには、主に以下の3つがあると考えられる。
1)異所性神経活動
 神経障害が発生すると障害神経細胞膜上にNa+チャネルが発現し、自然発火をくり返すようになる。さらに、障害神経から神経成長因子(nervegrowth factor;NGF)が放出されると周囲の正常な神経の細胞膜上にも多数のNa+チャネルが発現し、自然発火をくり返すようになる。この自然発火が刺激に依存しない痛みの原因と考えられている。
2)感作
 障害神経から放出されるさまざまなメディエーターにより非障害神経上にはNa+チャネル以外にもTRPVI、TRPM8などのTRPファミリーやa-アドレナリン受容体などを発現して神経の興奮闘値を低下させるため、軽微な刺激で痛みが発生する、いわゆる末梢性感作が発生する。
 感作された末梢神経は中枢側末端の電位依存性Ca2+チャネルを活性化し、グルタミン酸に加えてサブスタンスPなどのタキキニンを放出させることで、二次ニューロン上にあるグルタミン酸受容体のうちAMPA受容体のみならず強いCa2+の細胞内流入を起こすNMDA受容体の� ��性化を起こす。これによって二次ニューロンの感作が発生し、通常は非侵害刺激を伝える太い有髄のAβ線維が痛みを伝えたり(アロディニア)、痛み刺激を強く感じる痛覚過敏が発生するようになる。感作の発生には電位依存性Ca2+チャネルとNMDA受容体の活性化が関与していると考えられている。
3)脱抑制(抑制系の機能低下)
 強い痛みの持続により、セロトニン、ノルアドレナリンによって作動する内因性の下行性疼痛抑制系の機能低下が生じる。また、神経障害によって脊髄後角にあるGABA作動性抑制性介在ニューロンも消失する。このような抑制系の機能低下も神経障害性疼痛発生に関与している。
,がん患者と対症療法(2010),21,2,39

#5new!
【6.3.c】

 異所性神経活動は自発的な神経活動であるので、刺激に依存しない痛みに関連がある。持続痛とともに刺激に依存しない発作痛が強い場合はNa+チャネルの異所性神経活動の関与が示唆されるので、このような場合はNaチャネル遮断作用のある薬剤を用いる。感覚の低下はおおむねしびれとして表現される場合が多いが、この強弱は神経障害(求心路遮断)の程度を表すと考えられる。しびれと自発痛がある場合もまた異所性神経活動が関与していると考えられるので, Na+チャネル遮断作用のある薬剤を選択する。アロディニアや痛覚過敏といった刺激によって誘発される痛みが強い場合は感作の存在を示唆していることが多いので、このような場合はCa2+チャネル遮断作用のある薬剤やNMDA受容体拮抗作用のある薬剤を選択する。脱抑制と臨床症状の関連は明らかではないが、脊髄後角における変化であることから中枢性感作の発生が示唆される状況では脱抑制の関与も視野に入れて薬剤を選択、または併用する必要があると思われる。
 おおまかな薬剤選択方法は上記のとおりであるが, Baronらは帯状疱疹後神経痛(postherpeticneuralgia;PHN)および糖尿病性神経障害(diabetic polyneuropathy;DPN)に伴う神経障害性疼痛患者2,100名について、焼けるような自発痛、ちくちくする異常感覚、アロディニア、発作痛、熱痛覚過敏、しびれ、深部の圧痛の7項目の相対強度を評価し、神経障害性疼痛を以下の5つのパターンに分類して潜在するメカニズムを同定している。

パター�p>#1
【6.3.c】

ニューロパシックペインへの対応
 ファーストチョイスとして、抗痙攣薬ではランドセンを、抗鬱薬では短時間で効果が出る点でアモキサンを使う医師もいる。トリプタノールは効果発現に時間がかかる。
,今月の治療(2000),8,3,18

#1
【6.3.c】

ニューロパシックペインへの対応
 痛みの性質で間欠的な痛みに対しては抗痙攣薬、持続的な不快な痛みには抗鬱薬を投与するという考え方が一般的であるが、鎮痛効果発現期間も考えると、速効性が期待できる抗痙攣薬をまず投与することが有効である。モルヒネの鎮痛効果の増強も期待することができる。それでも効果が薄い場合には、モルヒネに抗痙攣薬、抗鬱薬を併用する。ニューロパシックペインは、治療が困難であることが多く、鎮痛補助薬の一種類だけ併用するのみでは不十分であることが多い。このほかに抗不整脈薬、NMDA受容体拮抗薬を重ねていくことも必要であることがある。
,ターミナルケア(2002),12,6,452

 
【6.3.c】

ケタミンはニューロパシックペインに有効
 ケタミンはニューロパシックペインに有効である。しかし、ニューロパシックペインと明確に診断できない病態でも、モルヒネの効果が悪いときにケタミン併用を試みてもよい。
,がんの症状マネジメント(1997),,,130

#5new!
【6.3.c】

神経障害性疼痛に使用する薬剤
 三環系抗うつ薬はモノアミン再取り込み阻害作用による下行性疼痛抑制系賦活作用のほかにNa+チャネル遮断作用があり、末梢、中枢両方に対する作用をもち非常に有用だが、心疾患を有する患者での使用には注意が必要であり、使用に際しては心電図評価を行うのが望ましい。
 ガバペンチンやプレガバリンは他の薬剤との相互作用がないので鎮痛薬や他の鎮痛補助薬の併用に有用であるが、腎障害患者では代謝が遅延するために投与量の減量が必要である。
 そのほか脳圧亢進のある患者へのケタミンは禁忌であり、トラマドールと抗うつ薬の併用は可能な限り避け、また自殺リスクのある患者へのオピオイド開始には十分注意を払う必要がある。
,がん患者と対症療法(2010),21,2,41

#2
【6.3.c】

骨盤内転移からくる神経障害性疼痛
ステロイドホルモン
 腫瘍自体のサイズの縮小は望めないが、腫瘍周囲の腫脹を緩和するためにステロイドホルモンを使用する。
  ・サクシゾン300 mg+生食20 mL、静注
  ・リンデロン2 mg+生食100 mL。点滴静注
  ・2%キシロカイン200 mg+生食100 mL、30分から1時間で点滴静注 1日3〜4回実施 総量1500 mgまで可
静注用ケタラール点滴静注
  ・静注用ケタラール250 mg+生食250 mL、4〜8 mL/hr持続点滴静注
,ベッドサイドの実践緩和ケア塾(2003),,,43

#5new!
【6.3.c】


過剰摂取痛みポンプフェンタニル
神経障害性疼痛に用いられる薬物のNNT
 NNT(number needed to treat)とは、ある病態に対し薬物を用いた場合、1人の患者に50%の効果(鎮痛)を得るのに何人の患者にその薬を投与したか、を示す値である。例えば、NNT=3.4の薬物は3.4人にその薬物を投与して初めて1人の患者が50%の除痛が得られたことを意味する。したがって、NNT=1の薬物は有効率100%であることを示す.NNTは、最近、薬物の臨床的効果の程度を表す指標としてよく用いられている.神経障害性疼痛に対する用いる薬物のNNT値によると、本邦で市販されている薬物のうち、三環系抗うつ薬が最も高く、次いで、カルバマゼピン、オピオイド、トラマドール、ガバペンチン、メキシレチン、 SNRI、NMDA受容体拮抗薬、 SSRI、リドカインの局所使用となっている.すなわち、三環系抗うつ薬が第1選択薬とされる、市販されている薬物の中には、神経障害性疼痛に保険適応がないものがあるので注意が必要である(2007年現在)。
,ペインクリニック別冊春号 (2008),29,4,103

#2
【6.3.c】

神経障害性疼痛への対応
 しばしば抗鬱薬としてのトリプタノール10〜50 mgが有効である。就寝前に投薬するが、量が多くなると、朝と就寝前の2回に分ける。
 また、就寝前にアナフラニール1V(25 mg)+生食100 mLで点滴も有効である。
 リボトリール0.5〜2 mgも有効。
 このほか、発作的な痛みには、2%キシロカインの点滴静注が有効である。
 いろいろと治療しても痛みが取れない場合は、ドルミカムを点滴で使用することもある。
 ドルミカム1V+生食100 mL、 10〜20 mL/hr
,ベッドサイドの実践緩和ケア塾(2003),,,39

#2
【6.3.c】

神経障害性疼痛への対応
 一般に、表在性の焼けつくような痛みやアロディニア(衣類が触れたなどの刺激で誘発される異常な痛み)には三環系抗鬱薬が有効であり、突然起こる刺すような鋭い痛みの成分には抗痙攣薬が有効である。これら2つの痛みがあるときには、まずどちらかの薬を用い、効果不十分のとき両者を併用する。効果がなければ抗不整脈薬を使用するが、抗不整脈薬を最初から使用する医師もいる。ただし、抗不整脈薬と抗鬱薬はともに不整脈を起こすことがあるので併用は避ける。
,Q&Aがん疼痛緩和対策のアドバイス 第2版(2002),,,63

#5new!
【6.3.c】

神経障害性疼痛が単独で現れることはがん疼痛ではあリ得ない
 神経障害性疼痛が単独で現れることはがん疼痛ではあリ得ないことで、ベースにはしっかりと侵害受容性疼痛があるため、 WHO方式をきちんと実行した上で、上乗せ治療として行う治療である。
,がん患者ケア(2009),2,4,27

#3
【6.3.c】

ニューロパシックペインに対するオピオイド鎮痛薬の使用
 ・第一選択薬であるが、反応することは少ない
 ・異なるオピオイドに対する反応には個人差がある
 ・鎮痛効果が少ない場合にはオピオイド・ローテーションを検討する
,ASCO 公式カリキュラム『がん症状緩和の実際』(2003), ,4,20

#1
【6.3.c】

モルヒネが有効なニューロパシックペインも
 ニューロパシックペインにおいては、損傷された末梢神経の後根神経節にコレシストキニン(cholecystokinine)が大量に発現する。この物質は内因性モルヒネ拮抗性物質として働き、モルヒネの作用を抑制する。ニューロパシックペインを治療するには通常の約10倍の量のモルヒネが必要とされるが、最近ではモルヒネが有効なニューロパシックペインの存在も確認されている。
,緩和ケアテキスト(2002),,,61

#5new!
【6.3.c】

神経障害性疼痛にオピオイドの有効性が認められるようになってきた
 神経障害性疼痛は、非ステロイド性消炎鎮痛薬やオピオイド系鎮痛薬などの通常の鎮痛薬が無効の疼痛性疾患であるといわれることが多い.非ステロイド性消炎鎮痛薬の神経障害性疼痛に対する無効性に関しては異論のないところと考えられるが、最近、オピオイド系鎮痛薬に関しては有効性を示すデータが多い.神経障害性疼痛に対してオピオイド系鎮痛薬が無効であるとの見方は、 1988年にArnerらが報告したことにより強調されるようになったと思われる.しかし1990年にはPortenoyらにより、神経障害性疼痛のオピオイド感受性に関する臨床データが示された.現在では、前述のとおり、神経障害性疼痛に対するsecond lineの薬物と位置づけられており、重要な位置を占めている.筆者(山本達郎:熊本大学大学院医学薬学研究部)は、 1991年には、ラット坐骨神経絞扼性疼痛モデルを用いてモルヒネやDPDPE(δ-オピオイド受容体作動薬)の神経障害性疼痛に対する有効性を報告しており、以前からオピオイド性鎮痛薬の有用性を感じていた。
 動物実験では、末梢神経を損傷することにより脊髄後角におけるオピオイド受容体の数が減少することが知られている. これのみで説明できるかは疑問もあるが、この受容体数の減少が神経障害性疼痛に対してオピオイド系鎮痛薬が効きにくい症例がある原因の一つであると思われる.動物実験のデータでは、神経障害性疼痛の動物実験モデルによりオピオイド系鎮痛薬の効果が異なることが示されている。また同じモデルであっても、神経損傷からの時間経過によりモルヒネの感受性が変化することも報告されている。 このよ� �なことがあるために、実際の臨床ではオピオイド系鎮痛薬の効果が不良と感じることもあるし、また、良好な鎮痛効果が得られることもあると考えている。
 トラマドールは、オピオイド系鎮痛薬と同様にsecond lineの薬物となっている.トラマドールは弱いμ-オピオイド受容体作動薬としての作用とノルアドレナリンとセロトニンの再吸収抑制作用の両者を併せ持った薬物である、したがって、オピオイド系鎮痛薬と抗うつ薬の効果を併せ持った薬物である. トラマドールも神経障害性疼痛に対して鎮痛効果を示す可能性の高い薬物である.
,ペインクリニック別冊春号 (2008),29,4,28

#5new!
【6.3.c】

神経障害性疼痛の治療
【治療または管理方法】
末梢性神経障害性疼痛オキシコドンが有効な場合があり、オキシコドンヘのローテーションを考慮する。
・鎮痛補助薬第一選択としてガパペンチン(ガパペン)200mgを眠前から開始し、眠気に応じて600 mg まで増量する。疼痛が軽減してきたら、オピオイドの減量も同時に試みる。
・特定の神経領域に沿った神経障害性疼痛は神経ブロック、骨転移と合併した神経障害性疼痛には放射線治療の適応を探る。これらの治療にあたっては周辺軟部組織を描出できる造影MRIが役立つ。
・上記で抑えきれない疼痛については、1週間を目処に評価し、さらに別の補助薬を個別的に検討する.

オピオイドと神経障害性疼痛
:「オピオイドが効きにくい痛み」と呼ばれることがある. しかし、いかなる神経障害性疼痛でも侵害受容性疼痛と同様の組織障害に端を発するので、鎮痛の基礎はNSAIDsやオピオイドが担う.したがって、神経障害性疼痛は「オピオイドだけでは抑えら� �ない痛み」としたほうがより正確である.


,緩和ケア ゴールデンハンドブック(2009),,,35

#3
【6.3.c】

神経障害性疼痛に対するモルヒネテスト
 難治性疼痛患者にモルヒネテストを施行し有効性を検討した。神経障害性疼痛を含むすべての疾患群で、モルヒネは高い有効性を示した。モルヒネテストで「微効」以上の症例にオピオイドを投与したところ、ほとんどの症例で有効性が認められ、モルヒネテストと実際にオピオイドを投与した場合の結果がよく一致することが示された。神経障害性疼痛に対するオピオイドの有効性は、動物実験に基づく研究では疑問視されているが、臨床の場では有用であることか示唆された。
,痛み臨床における鎮痛薬・オピオイドの選択(2003),,,20

#3
【6.3.c】

神経障害性疼痛に対するオピオイドの使用
 神経障害性疼痛または神経障害性疼痛の強い癌患者ではオピオイドが非常に高用量となっているにもかかわらず、それに見合う鎮痛効果が得られないことが多い。海外の報告でもみられるように、侵害受容性の痛みとくらべると神経障害性疼痛に対するオピオイドの鎮痛効果は弱いという印象を受ける。しかしながら、モルヒネ、フェンタニル、オキシコドンで鎮痛効果があらわれる患者が存在するのも事実である。これらのオピオイドでタイトレーションをする場合に、侵害受容性の疼痛管理に必要な量とくらべて必要量が大量になること、また、それによってオピオイドの副作用が出現しやすいことが問題となる。
,緩和医療学(2005),7,1,43

#3
【6.3.c】

神経障害性疼痛に対するオピオイドの使用
 神経障害性疼痛(neuropathic pain)の範躊に含まれる病態に対してモルヒネが効きにくい理由については、いくつかの報告がなされている。 Woolfらによると、一度起こってしまった脊髄の過剰な興奮性(感受性の増加)を元に戻すためのモルヒネの量は、それを予防するために必要な量の10倍であることが判明している。また、 opioid-mediated analgesiaに対する内因性抑制因子としてコレシストキニン(cholecystokinin : CCK)の存在が明らかになった。CCKをくも膜下に投与すると、μ受容体を介したモルヒネ鎮痛が拮抗される。神経障害性疼痛の多くでは、このCCK遊離が増加していると報告されており、このことが神経障害性疼痛におけるモルヒネの「効きの悪さ」を説明すると考えられている。
,痛み臨床における鎮痛薬・オピオイドの選択(2003),,,26

#3
【6.3.c】

神経障害性疼痛に対するオピオイドの使用
 鎮痛補助薬が奏効しない、またはそれ以上増量できない癌患者の神経障害性疼痛に対してオピオイドを使用する場合、少量から開始しタイトレーションのしやすいオキシコンチン錠が適していると考えられる。
,緩和医療学(2005),7,1,43
↑《注:しかし、まず最初にオピオイドから治療を始めることが基本です》

#3
【6.3.c】
 癌患者の神経障害性疼痛と慢性疼痛患者のそれとで大きく異なるのは、神経の圧迫、浸潤、脱髄、破壊、再生、運動麻痺など病状に応じて疼痛の性状が変化することと、患者の余命が短いため短期決戦で挑まなくてはならない点である。また、神経ブロックの適応があると判断しても出血傾向があったり、衰弱が激しかったり、本人や家族からなかなか同意を得られ なかったりなど、通常の神経障害性疼痛患者とは異なり患者背景の面で苦労することも少なくない。
,緩和医療学(2005),7,1,40

#5new!
【6.3.c】

神経障害性疼痛、求心路遮断痛
 神経損傷後に出現する疼痛の名称としては、神経障害性疼痛、神経障害性疼痛、求心路遮断痛などが使用されています.神経損傷後に出現した疼痛であっても、個々の疼痛における発生機序が完全に解明されていないこともあり、求心路遮断痛と神経障害性疼痛や神経障害性疼痛の区別を明確に定義するのは困難です。
,ペインクリニック別冊春号求心路遮断痛の診断と治療(2008),29,,1

#5new!
【6.3.c】

神経障害性疼痛・求心路遮断痛の定義
 求心路遮断痛(deafferentation pain)という用語の使用を最初に提唱したのは、多くの難治性疼痛の患者に対して外科的治療を行ったトロント大学のTaskerのようである.国際慢性疼痛学会の疼痛分頻に関する小委員会による定義では、deafferentation pain とは、"Pain due toloss of sensory input into the central neurvoussystem、 as occurs with avulsion of the brachialplexus or other types of lesions of peripheralnerves or due to pathology of the central ner-vous system.'、とされている.しかしながら、国際疼痛学会の1994年度版慢性疼痛分頻には、deafferentation pain という用語は収載されておらず、 neuropathic painに包括されている.Neuropathic pain という用語に対して、邦訳では「神経因性疼痛」という用語が当てられてきたが、近年では、「神経障害性疼痛」という用語も多く用いられるようになってきている。このneuropathic pain は、国際疼痛学会の定義によると、"神経系の一次的損傷あるいは機能異常により起こる疼痛""とされている. この中で、痛みを中心とする感覚系の求心路が、明らかに一次的な損傷を受け、中枢への知覚情報が途絶された状況下で発生する痛み、換言すれば、神経障害性疼痛の中で知覚求心路遮断による知覚低下・脱失が明確で、それに伴う知覚障害の著しい疼痛群を、特に求心路遮断痛と呼ぶ慣習がある。
,ペインクリニック別冊春号求心路遮断痛の診断と治療(2008),29,,31

#5new!
【6.3.c】


水疱や足や足に傷
求心路遮断痛の診断と治療
 疼痛の治療を目的とした外科的な方法は、痛覚伝導路の破壊術脳脊髄刺激療法、ならびに末梢神経刺激療法に分けることができます。痛覚伝導路を破壊する方法は、主としてがん性疼痛など、痛覚伝達系に過剰な信号が送られることによって出現する疼痛、すなわち侵害受容性疼痛の治療に用いられてきました.しかし経口オピオイド療法の開発や神経ブロック療法の進歩によって、侵害受容性疼痛の治療を目的とした神経伝導路の破壊術の施行頻度は激減しています.一方、 post-stroke pain、 幻肢痛、脊髄損傷、腕神経叢の引き抜き損傷、末梢神経損傷など、体性感覚系の求心路が損傷を受けた後に二次的に出現する疼痛、すなわち求心路遮断痛に対しては、オピオイドや神経ブロックが無効であることが多いので、脳脊髄刺激療法が多く選択されています.求心路遮断痛の中でも、幻肢痛や腕神経叢の引き抜き損傷などに対しては、脊髄後根進入部(dorsalroot entry zone : DREZ)破壊術も選択されています.しかし、痛覚伝導路を破壊する方法では、結果的に二次的な求心路遮断痛を出現させる可能性があり、脊髄後撰進入部破壊術もこの例外ではないので、注意が必要となります。
 求心路遮断痛の発生機序として、NMDA受容体の関与が多くの研究で証明され、NMDA受容体遮断薬であるケタミンの有効性が確認されており、効果が一時的であっても、 central sensitizationの解除に有効であると考えられています、また、神経終末から興奮性アミノ酸の放出を抑制する作用があるとされるガパペンチンの著効症例も経験します。これまでに、ケタミンが麻酔薬として使用される場合は、ケタラール・1〜2 mg/kg を1分以上かけて静注、あるいは5〜10mg/kgを筋注する方法が用法・用量として推奨されていますが、わたくしたちが実施している少量ケタミン点滴療法は、ケタラール・0.33 mg / kgを100 mL の生理食塩水に添加し、1時間かけて点滴投与する方法で、麻酔のための使用法とは全く別の使用法といえます.少量ケタミン点滴療法では、ケタミンの点滴中でも完全なる覚醒状態で患者さんの状態を確認し、精神状態ならびに疼痛の変化を確認することができます.また、この程度の投与量でも、十分な除痛効果を得ることができます。ケタミン点滴療法の明らかな除痛効果は数時間のことが多いのですが、疼痛が持続して難治性となっている症例においては、一時的であっても疼痛から開放される時間を提供することによって、増大した痛みの感覚をリセットすることができ、日常の生活も改善されます。
 1906年に、 DejerineとRoussyが、視床痛の原因病巣として、視床後外側の腹側尾側部の障害を報告して以来、すでに100年以上が経過していますが、 post-stroke painは、現在も代表的な難治性疼痛と考えられています。
 「激痛に近代医学の効きめなく医師に告げらる耐えて過ごせと」
 これはpost-stroke painの患者さんの作品で、脳卒中の治療を担当した医師に、post-stroke painに対する有効な治療法はないと宣言された時の、つらい気持ちを表現したものだと説明されました.単独の治療法では十分な効果が得られない症例でも、各種の治療を併用することによって、十分な除痛効果が得られる症例が多数存在することは確かです. このためには、専門領域を超えた多数の治療法を十分に理解し、最善の治療法を組み立てることが、疼痛の治療に係わる医師の責務であると考えます.
,ペインクリニック別冊春号 (2008),29,4,1

#5new!
【6.3.c】

神経障害性疼痛に対するガイドライン
 がんによる神経障害性疼痛に対して、ガバペンチンケタミンはがん患者を対象とした臨床試験により中等度の鎮痛効果があることが示唆されている。ガバペンチン以外の抗けいれん薬、抗うつ薬、抗不整脈薬、ケタミン以外のNMDA受容体拮抗薬、コルチコステロイドに関しては、十分な知見がないが、非がん患者での知見や臨床経験から、がんによる神経障害性疼痛を緩和する可能性があると考えられる。
 したがって、本ガイドラインでは、専門家の合意により、がんによる神経障害性疼痛に対して、抗けいれん薬、抗うつ薬、抗不整脈薬、NMDA受容体拮抗薬、コルチコステロイドのうちいずれかを使用することを推奨する。
 どの薬物が他の薬物に比較して鎮痛効果が優れるという十分な根拠はな� ��ため、薬物の選択は、薬物の副作用、および、痛みを生じている病態から選択する。すなわち、副作用を含む薬物の効果が、患者にとって好ましいものを優先して選択する。例えば、不眠がある場合には鎮静作用のあるものを優先する、便秘がある場合には抗コリン作用の少ないものを優先する。
 病態としては、コルチコステロイドは、脊髄圧迫症候群など神経への圧迫や炎症による痛みの場合に検討する。
 いずれの薬物も少量で開始して、眠気などの副作用が出ない範囲で、3〜5日ごとに増量する。増量の条件として、(1)痛みがある程度緩和しており、増量により鎮痛効果が得られると考えられる、(2)許容できる範囲の副作用である、(3)使用量が一般的な用量の上限に達していないことを目安とする。
 がんによる神経障 害性疼痛のある患者に対して、鎮痛補助薬を増量しても十分に効果がない場合に、他の鎮痛補助薬への変更や併用が痛みを緩和するか、また、どのような方法で変更・併用するかについては、十分な根拠がないと考えられる。
 したがって、本ガイドラインでは、専門家の合意により、がんによる神経障害性疼痛に対して、1種類の鎮痛補助薬を増量しても十分に効果がない場合は、専門家に相談したうえで、他の鎮痛補助薬への変更や併用を行うことを推奨する。
,がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2010年版(2010),,,190
      ↓《注:ニューロパシックペインの対処法の詳細に関しては、以下の各章を参照して下さい》
      参照→【7.1.2】「鎮痛補助薬選択法」
      参照→【7.1.11】「ケ� ��ミン(ケタラール)」
      参照→【7.1.10】「抗不整脈薬」
      参照→【7.1.8】「抗鬱薬」
      参照→【7.1.9】「抗痙攣薬」
      参照→【6.3.1】「神経ブロック療法」

 

【6.3.d】

 疝痛は、有腔臓器の内腔の狭窄や閉塞による平滑筋の強い収縮によって引き起こされる痛みである。間歇的な痛みであることが多い。このような痛みにはブスコパンなどの鎮痙薬が有効である。
,ターミナルケアマニュアル第3版(1997),,,21
,緩和ケアマニュアル(ターミナルケアマニュアル第4版)(2001),,,93

#1
【6.3.d】

・治療可能な便秘を治療し、除外する。
・放射線治療や化学療法による腸管刺激の場合、ロペミンを考慮する。
・胆汁による場合、クエストランを始める。
・薬剤による場合、投与量を減らすか中止する。
・腸の不完全閉塞に対しては、緩下剤を強力バルコゾルに変更し、ブスコパンを舌下または経口で使用する。
・腸の完全閉塞で手術不可能な 場合、ブスコパンの持続皮下注また同時に消化管閉塞の治療を行う。

,フローチャートで学ぶ緩和ケアの実際(1999),,,9

#5new!
【6.3.d】

平滑筋攣縮による痛み
 平滑筋攣縮は差し込み発作(疝痛発作)を起こします。強い痛みを伴い、かつオピオイド鎮痛薬やNSAIDsが効きにくい痛みです。
 いわゆる胃痙攣の痛み、腸閉塞の腸管閉塞部位の口側の攣縮では、激しい差し込み痛を来します。胆道系のがんでは、胆管の攣縮痛が起こりますが、この時の痛みは、胆のう結石・胆管結石の痛みを観察したことのある人は、すぐに分かります。尿管がんで起こる尿管攣縮の差し込み痛は、尿管結石の痛みをみたことのある人はすぐに分かります。これらの疝痛発作は、平滑筋の攣縮によって起こりますから、第1選択薬は、平滑筋の攣縮を緩める薬剤ということで、鎮痙薬(アトロピン、スコポラミン)ということになります。オ ピオイドも良性疾患である尿管結石などではよく効きますが(鎮痙薬と併用が原則です)、がん腫では、恐らく攣縮が持続しているためと思いますが、オピオイドはあまり効かず、時には疝痛発作を誘発することもあるので、鎮痙薬を積極的に用います。

,がんの痛みから患者を救う本(2008),,,45

#5new!
【6.3.d】

モルヒネは腸管の疼痛に効果的
 モルヒネは腸管の疼痛に効果的である。抗コリン作用が強く、胆管の蠕動を抑制する。一方で、腸管に狭窄が疑われる場合、この投与によって、腸閉塞を完成させてしまうリスクがある。よって、下剤の併用を必要とするが、がん性腹膜炎がある場合、下剤によって、蠕動痛を招いたり、穿孔のリスクも高めてしまうこともある。
 このような場合、ステロイドを併用することで、腸管の浮腫を緩和し、通過しやすい状態をつくった上で、下剤を用いる。ステロイドを数日間短期投与する場合は、免疫系に対する影響は少ないが、長期的に用いていく場合は胆道感染などがあると問題となる。主治医と話し合うことが必要である。
,緩和ケア55(2010),,,61

#5new!
【6.3 .d】

 腹腔内蠕動痛には、モルヒネが良く効く。他のオピオイドより抗コリン作用が高いためではないかと推測する。モルヒネ以外の薬剤を用いる時はオピオイドローテーションの換算量以上の増量を必要とすることが多いことを念頭においておく。
,緩和ケア55(2010),,,81

      参照→【8.15.1】「腸閉塞による疼痛(疝痛と内臓痛)」
      ↑《腸管の疝痛に関してはこちらが詳しいです》

#1
【6.3.d】

・治療可能な感染症と尿の流出障害を治療し、除外する。
・不安定膀胱に対してトフラニールまたはプロバンサイン。
・腫瘍による膀胱刺激に対して0.25%マーカイン20 mLを10分間膀胱内へ注入する。
,フローチャートで学ぶ緩和ケアの実際(1999),,,9

#1
【6.3.d】

・治療可能な感染症を治療し除外する。
・下部の閉塞に対して、ステントを考慮する。
・他のやり方として大量デカドロン投与を考慮する。
,フローチャートで学ぶ緩和ケアの実際(1999),,,9

#5new!
【6.3.d】

消化管閉塞による痛みのガイドライン
 痛みを評価項目としてプラセボとの比較による無作為化比較試験がないため十分な根拠ではないものの、消化管閉塞による痛みのある患者に対して、消化管分泌抑制薬(オクトレオチド、ブチルスコポラミン臭化物)は、痛みを緩和する可能性があると考えられる。
 したがって、本ガイドラインでは、専門家の合意により、鎮痛効果が期待され、重篤な副作用が少ないという理由で、消化管閉塞の痛みに対して、オクトレオチドまたはブチルスコポラミン臭化物のいずれかを使用することを推奨する。
 特に、蠕動痛に対しては、抗コリン作用の強いブチルスコポラミン臭化物の使用を検討する。
,がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2010年版(2010),,,216

#5new!
【6.3.d】

消化管閉塞による痛みのガイドライン
 消化管閉塞による痛みのある患者に対して、コルチコステロイドは、痛みを緩和する可能性があると考えられる。
 したがって、本ガイドラインでは、上記の知見と専門家の合意により、消化管閉塞による痛みのある患者に対して、コルチコステロイドを投与することを推奨する。
,臨床が変わる緩和ケアのちょっとしたコツ(2010),,,217

 
 

#5new!
【6.3.e】

筋の攣縮による痛み
 侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、交感神経依存性疼痛に続く4番目の痛みの分類は、筋の攣縮(スパスム)による痛みが挙げられます。 筋には平滑筋(管腔臓器を形成)と横紋筋(随意筋)がありますが、これらが攣縮すると、平滑筋の場合は差し込み発作(疝痛発作)横紋筋の場合は強いこりやこむら返りを起こします。いずれも強い痛みを伴い、かつオピオイド鎮痛薬やNSAIDsが効きにくい痛みです。
 いわゆる胃痙攣の痛み、腸閉塞の腸管閉塞部位の口側の攣縮では、激しい差し込み痛を来します。胆道系のがんでは、胆管の攣縮痛が起こりますが、この時の痛みは、胆のう結石・胆管結石の痛みを観察したことのある人は、すぐに分かります。尿� ��がんで起こる尿管攣縮の差し込み痛は、尿管結石の痛みをみたことのある人はすぐに分かります。これらの疝痛発作は、平滑筋の攣縮によって起こりますから、第1選択薬は、平滑筋の攣縮を緩める薬剤ということで、鎮痙薬(アトロピン、スコポラミン)ということになります。オピオイドも良性疾患である尿管結石などではよく効きますが(鎮痙薬と併用が原則です)、がん腫では、恐らく攣縮が持続しているためと思いますが、オピオイドはあまり効かず、時には疝痛発作を誘発することもあるので、鎮痙薬を積極的に用います。
 横紋筋の攣縮痛というのは、頸部から肩、腰背部にかけての強いこりと、四肢(特に下腿)のこむら返りのことです。「こり」は健常人も日常的に経験するの で、たいしたことはないと思われがちですが、これを軽視してはいけません。がんが進行して、栄養状態が悪化(がん悪液質)すると、臥床時間がどうしても長くなります。さらに、痛みや点滴や医療器具によって寝返りが制限され、特定の体位を強制されるようになると、腰背部の脊柱起立筋群のスパスム(こり)は必発です。
 背部のこりは、放置するとGOTS(great occipital trigeminal synd)となります。腰のこりは、放置すると症候性坐骨神経痛となり、臀部から下肢全体の痛みになります。
 最近では、患者さん自身が、進行がんであることを承知していますので、これくらい仕方ないと思って自分から言い出すことはまれですが、こちらから聞き出すと全例に生じていることが分かります。適切に対応するには家族の協力を得ることが大切で、早い時期からのマッサージが有効です。

,がんの痛みから患者を救う本(2008),,,45

#5new!
【6.3.e】

モルヒネが効きにくい筋の痙攣痛や感染などの炎症性の痛み
 筋肉痛に対しては、オピオイドよりも中枢性の筋弛緩薬による薬物療法、鍼灸、マッサージなどの非薬物療法が有効であることが多い。感染による炎症性の痛みに対しても、オピオイドよりもNSAIDsや抗生物質などによる根本的な対応のほうが奏効することが多い。
 その他の急性痛に関しても根本的な痛みの治療が可能な場合にはそれを優先すべきであり、モルヒネによる痛みの治療は対症的であることを再認識するべきである。

,患者の疑問に答えるオピオイドの要点(2005),,,88

#5new!
【6.3.e】


 原因に対する治療、例えば水分の急激な喪失に対しては電解質バランスの補正を行い、薬に誘発されたものであれば投薬を中止しましょう。筋肉の攣縮による有痛性筋攣縮や骨格筋が持続性に収縮する痙縮にはオピオイドは効果なくジアゼパム(セルシン)、バクロフェン(ギャバロン)やダントロレン(ダントリウム)が効果あります。
,緩和医療レッスン(2008),,,94

#5new!
【6.3.e】

骨格筋攣縮による痛み
 筋攣縮に対する薬剤には以下のものがある
  ・ジアゼパム(セルシン、ホリゾン)5〜10 mg 経口2〜4回/日[(脳脊髄疾患に伴う筋攣縮・疼痛)2〜10 mg/回3〜4回/日
  ・バクロフェン(ギャバロン、リオレサール)10〜20 mg 経口3回/日[(痙性麻痺)5〜15 mg/日分1〜3ではじめ、標準用量30 mg/日分3まで増量]
  ・チザニジン(テルネリン)2〜8mg 2〜3回/日[(痙性麻痺)3mg/日分3ではじめ、効果をみながら6〜9 mg/日分3まで漸増]
,緩和ケア総合診療マニュアル(2009),,,65

【6.3.e】

 セルシン(ホリゾン)は筋痙攣による痛みが原因の場合にきわめて有効である。筋の攣縮に伴う痛みはそれほど多くみられないが、著しい脱水状態の患者などでは電解質異常などによって神経−筋の被刺激性が亢進し、筋の攣縮や身の置き所のない全身の不快感を生じることがある。
,緩和医療(1999),1,2,62

#3
【6.3.e】
繰り返すこむら返りに対する薬物療法
 ・カルシウム(カルチコールなど):1A
 ・点滴静注経口カルシウム剤(アスパラCaなど):通常投与量
 ・ジアゼパム
,がん疼痛緩和 ポケットリファレンス(2004),1,,76

#2
【6.3.e】

 有痛性筋攣縮とは痛みを伴う筋攣縮であり、数秒から数時間、ときに数日間持続することがあるが、10分間を超えて痛みがあるときは疼痛性筋硬直とする意見もある。
,トワイクロス先生のがん患者の症状マネジメント(2003),,,299

#3
【6.3.e】

 癌患者に限らないが、臥床が長くなると脊柱起立筋の筋筋膜性疼痛はモルヒネで除痛できず、局所麻酔薬のトリガーポイント注射が著効することがある。
,カレントファーマシー(2004),,21,4

#2
【6.3.e】

 進行がん患者で有痛性筋攣縮が反復して続く場合、第一選択薬はジアゼパム5〜10 mg の就寝時服用であろう。代わりの方法として、バクロフェン10〜20 mg の1日2〜3回の服用がある。2つの薬ともGABA(γ-アミノ酪酸)の中枢神経抑制作用によって筋緊張を低下させて効果を発揮する。ジアゼパムには筋弛緩作用と精神的緊張緩和作用があり、不安の強い患者には、この2つの作用が効果を現わす。
 ダントロレンは骨格筋に直接作用するので眠気を起こすことが少ない。第三の選択薬であり、必要に応じてジアゼパムやバクロフェンと併用する。初回投与量は1日1回25 mg、 1週間に25 mg ずつ増量し、最大100 mgを1日4回内服する。標準量は75 mg 1 日3回の服用である。緩和ケアで用いるときは、できる限り早く症状を緩和する必要があるので、速いペースで増量する。

,トワイクロス先生のがん患者の症状マネジメント(2003),,,302

 
 


#2
疼痛性障害(pain disorder)
 一言でいうと、従来診断では、いわゆる「心因性疼痛」のこと。近年、精神科領域でも明確な診断基準が定められるようになり、それとともに一部の従来診断名が変更された。疼痛性障害もその一つである。
1)原因:
 体性感覚の過剰あるいは増幅があるともいわれるが、詳細は不明。ストレス度の高い出来事を契機として発症することが多い。
2)症状:
 身体の特定部位に激しい痛みが、持続ないし出没する。痛みは、1ヵ所の場合もあれば複数の部位にわたることもある。また、痛みの位置が日によって移動することも珍しくない。ところが、種々の検査によっても激しい痛みの原因となるような異常所見は認めないのである(!)。医師からは、「検査で異常ないから心� ��ない」として鎮痛薬などを処方されるが、激しい痛みにはそれほど効果がみられない。
3)治療:
 検査で証拠が出てこないのに痛むのは、患者自身の「痛覚神経の過敏性」も痛みの発生に関わっている可能性を説明し、それを軽減する目的で抗けいれん薬のvalproic acid (デパケン、バレリン)400〜1200 mg/日、あるいはclonazepam (ランドセン、リボトリール)0.5〜4 mg/日を分2〜3で内服投与する。抗鬱薬も悪くないが、すでに内服の経験のある患者が多い。これらが無効の場合には、副作用のごく少ない抗精神病薬quetiapine(セロクエル)も試用してみる価値がある。また、患者の疼痛に関わる行動は、周囲からの注目を集める形で強化されているため、患者本人が痛みの解決に対して他力本願になっていることが多い。そこで医療スタッフは、何でもよいから痛み以外の生活上の事柄に目を向けるよう、患者に指示するとよい。その結果として患者自身の積極的な生活態度が少しでもみられたらおおいに称賛し、さらに重ねて指示を強化していく、という認知行動療法的アプローチの併用も一定の効果がある。
4)まとめ:
 がん性疼痛のある患者に疼痛性障害が併発する� �ともしばしばある。証拠の明らかでない疼痛の持続するがん患者に対しては、オピオイドの増量に加えて、上記のような治療的アプローチの追加も考慮することが必要である。

,ターミナルケア(2003),13,3,233

#5new!
【6.3.f】

 心因性疼痛には、患者の訴える疼痛に再現性がなく、疼痛部位が一定せず、器質的病変との神経学的関連を合理的に説明できないという特徴がある。この場合、カウンセリングなど専門医の対応が必要である。
,在宅がん緩和治療ハンドブック(2009),,,52
      参照→【8.26.2】「痛みの訴えが多い鬱状態の患者」
      ↑《このような場合もあると言うことです》

 

#5new!
【6.3.g】

デコンディショニングに伴う疼痛
 デコンディショニングとは長期臥床などにより心肺機能や筋力、体力が低下した状態を指す。安静臥床を続けると、筋力が毎日1〜3%失われ、抗重力筋を中心に筋萎縮が進行する。萎縮した筋肉を使おうとすると痛みが出現し、安静臥床が助長されて悪循環に入る。抑うつ状態を伴いやすく、痛みに過敏となる。ストレスから過食になると、体重が増加し筋肉への負担が増えて、動作による筋痛も増加する。 このようなデコンディショニングに伴う疼痛に対して、最も有効な治療は積極的なリハビリテーションである。運動は疼痛抑制系の活動を賦活すると考えられており、逆に痛みがあって運動を控えていると、痛みを感じやすくなる可能性もある。
,痛み治療マニュアル第2版(2004),,,8

#5new!
【6.3.g】

トリガーポイントを伴う筋痛症候群
 検査データでは異常を認めないが、筋肉に慢性の痛みやしこりを局所的に生じる場合を筋筋膜痛症候群(myofascial pain syndrome)と称する。筋肉内にトリガーポイントと呼ばれる索状硬結を触知し指で押すとしばしば放散痛を伴う飛び上がるほどの痛みを訴える。
 このトリガーポイントが、指定された18ヵ所のうち11ヵ所以上認められ、中年女性に好発する病態を、線維筋痛症(fibromyalgia)と称する。下行性疼痛抑制系が脊髄内で放出する伝達物質である、セロトニンが減少している線維筋痛症の患者では、種々の痛みを感じやすくなるが、筋肉からの侵害受容情報の脊髄後角二次ニューロンヘの伝達は、皮膚からの入力伝達よりも下行性疼痛抑制系の影響を強く受けるとされているため、特に筋肉痛が顕著になると考えられる。またセロトニンが不足すると徐波睡眠が妨げられて睡眠障害を併発する。炎症のメカニズムが病態に関与していないので、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)はそれほど有効ではなく、三環系抗うつ薬が第一選択薬となる。 トリガーポイントヘの局所麻� ��注射も速効性のある治療法である。
,痛み治療マニュアル第2版(2004),,,7

#5new!
【6.3.g】

 脳圧亢進時の頭痛モルヒネがほとんど無効であり、高浸透圧利尿薬、ステロイドを早急に投与することが第一選択である。
,患者の疑問に答えるオピオイドの要点(2005),,,88

#5new!
【6.3.g】

 体動時痛の治療が難しい理由は、次の2点によります。
(1)安静時の痛みにモルヒネ投与量を調整すると、体動時に強い痛みが出現する。
(2)体動時の痛みにモルヒネ投与量を調整すると、安静時には強い眠気が出現してしまう.
 したがって,体動時痛への対策としては,体動前にレスキュー・ドーズを投与することが考えられます.しかし、そこそこADLが高い患者さんでは、体動ごとにレスキュー・ドーズを服用することになり、かなりの手 間がかかってしまうこともあります.また、体動後数分間で消失してしまう疼痛にレスキュー・ドーズを使用すると、疼痛が消失した後も,約4〜6時間は即効製剤の効果が残ってしまいます
一方、体動時痛は骨転移巣が体動により神経線維を圧迫することによって出現すると考えられているため、鎮痛補助薬を併用することにより、軽減する可能性が考えられます.理学療法的なアプローチも有用です.たとえば、理学療法士に起き上がり動作の指導を依頼したり、体位変換の方法を工夫してもらったりします.はかに、患者さんの生命予後が2、3ヵ月以上と考えられる場合には、骨転移巣に対する放射線治療や整形外科的治療が有効である場合もあります.

,一般病棟だからこそ始める緩和ケア 2版( 2009),,,84

#5new!
【6.3.g】

膵臓がんなどによる上腹部の痛み
 膵臓がんなどによる上腹部の痛みのあるがん患者に対して、非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療は、痛みを緩和すると考えられる。
 したがって、本ガイドラインでは、膵臓がんなどによる上腹部の痛みのあるがん患者に対して、非オピオイド鎮痛薬、オピオイドによる疼痛治療を行うことを推奨する。
 腹腔神経叢ブロックは、膵臓がんなどによる上腹部の痛みを中等度緩和するとともに、オピオイド使用量を低下させることにより便秘を軽減する可能性があると考えられる。このほかに膵臓がんなどによる上腹部痛に対して有効と考えられる神経ブロックとして、硬膜外腔またはくも膜下腔へのオピオイドや局所麻酔薬の持続投与がある。
 したがって、本ガイドラインでは、膵臓がんなどによる上腹部の痛� ��に対して、腹腔神経叢ブロックなどの神経ブロックの適応についてなるべく早い時期に専門家に相談することを推奨する。
 「なるべく早い時期に」とした理由は、以下のとおりである。(1)腹腔神経叢ブロックが有効に行われるためには、腹腔神経叢周囲にアルコールを注入するための適度なスペースがある時期に行うことが望ましい、(2)ブロック後に一過性に腸蠕動が亢進するため、蠕動痛が問題となる腸閉塞の症状が合併する前に施行することが望ましい、(3)膵臓がんの痛みの発現機序は、膵管や間質の内圧上昇、血管内圧の上昇と虚血、侵害受容器を刺激するさまざまな化学物質による末梢感覚神経の感作と考えられている。したがって、痛みを長期間体験することで、末梢、脊髄、中枢へと感作され、痛み閾値が低下する可能 性が示唆されているため、早期に行う方が鎮痛効果を期待できる。(4)腹水の著しい貯留や刺入部位に椎体転移があるとブロック処置を行うこと自体が困難になる。
,がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2010年版(2010),,,200

#5new!
【6.3.g】

 十分な知見はないが、胸部の痛みのあるがん患者に対して、神経ブロックは薬物療法に比較して痛みを緩和する場合があると考えられる。本ガイドラインでは、専門家の合意により、非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療の効果が不十分な場合、痛みが胸部に限局している場合には、神経ブロックなどによる疼痛緩和が可能か専門家に相談することを推奨する。
 推奨される神経ブロックには、硬膜外ブロック、肋間神経ブロック、神経根ブロック1、くも膜下フェノールブロックがあるが、どのブロックが適しているかは専門家に相談する。一般的には、肋間神経ブロック、高周波熱凝固は1神経根毎に針の刺入が必要であるため限局された範囲の痛みに、くも膜下フェノールブロック2は、2−3神経分節の痛みに用いられる 。硬膜外ブロックは複数分節にまたがる痛みに用いられる。
 これらの対応で鎮痛効果が不良の場合や、鎮痛効果は得られていても眠気などの許容できない副作用が生じている場合は、硬膜外・くも膜下腔内への持続オピオイド投与、局所麻酔薬の併用を検討する。
 いずれの手技においても、ブロック針の剌入部位に感染巣がある場合、出血傾向および凝固異常、ショック状態、患者の同意が得られない場合、全身状態が著しく悪化している場合は禁忌となる。したがって、神経ブロックの効果を十分に活かすためには、適切な施行時期に行うことが重要であり、胸部の限局した痛みを訴える患者は、早期に専門家に相談することが望ましい。
,がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2010年版(2010),,,204

#5new!
【6.3.g】


直腸がんなどによる会陰部の痛み
 直腸がんなどによる会陰部の痛みのある患者に対して、非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療は、痛みを緩和すると考えられる。
 したがって、本ガイドラインでは、直腸がんなどによる会陰部の痛みのある患者に対して、非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療を行うことを推奨する。
 質の高いエビデンスは存在しないが、臨床経験から、直腸がんなどによる会陰部の痛みに対して、サドルブロックは、膀胱直腸障害を生じうるが、痛みを緩和すると考えられる。
 したがって、本ガイドラインでは、直腸がんなどによる会陰部の痛みに対して、尿路変更・人工肛門などすでに排尿・排便機能が廃絶している場合に、サドルブロックが有効な場合があるので専門家に相談することを推奨する。人工肛門� ��あるが尿路変更がなされていない場合には、患者が尿路変更になること(導尿など)を了解すれば、選択できる場合がある。2)上下腹神経叢ブロック
 上下腹神経叢ブロックは、骨盤内臓器の交感神経由来の痛みに対する疼痛治療法である。
 質の高いエビデンスは存在しないが、直腸がんなどによる会陰部の痛みに対して、上下腹神経叢ブロックは、痛みを緩和する可能性があると考えられる。
 したがって、本ガイドラインでは、直腸がんなどによる会陰部の痛みに対して、上下腹神経叢ブロックが有効な場合があるので専門家に相談することを推奨する。
 この他の神経ブロックとして、上下腹神経叢ブロックと同じ交感神経ブロックとして、肛門部からの交感神経出来の痛みに対する、不対神経節ブロックがある。さ� �に、硬膜外腔またはくも膜下腔へのオピオイドや局所麻酔薬の持続投与が選択肢になる場合がある。患者にどのブロックが適しているのかは専門家に梱談することが望ましい。
,がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2010年版(2010),,,208

#5new!
【6.3.g】

悪性腸腰筋症候群による痛み
 悪性腸腰筋症候群による痛みに対する知見は限られているが、非オピオイド鎮痛薬・オピオイドによる疼痛治療は、悪性腸腰筋症候群による痛みを緩和すると考えられる。
 したがって、本ガイドラインでは、専門家の合意により、悪性腸腰筋症候群による痛みに対して、非オピオイド鎖痛薬・オピオイドによる疼痛治療を行うことを推奨する。
 十分な知見ではないが、悪性腸腰筋症候群による痛みのある患者に対して、筋弛緩薬は、痛みを緩和する可能性があると考えられる。
 したがって、本ガイドラインでは、専門家の合意により、悪性腸腰筋症候群による痛みのある患者に対して、特に腸腰筋の攣縮に伴う股関節の有痛性屈曲固定が認められた場合に筋弛緩薬を投与することを推奨する。
 筋弛緩薬と� ��て、最も一般的に使用されるものはジアゼパムである。ジアゼバムの効果が不十分な場合は、専門家に相談のうえ、バクロフェン、チザニジン、またはダントロレンナトリウムを検討する。
 確実な知見ではないが、悪性腸腰筋症候群による痛みのある患者に対して、神経ブロックは、痛みを緩和する可能性があると考える。
 したがって、本ガイドラインでは、専門家の合意として、悪性腸腰筋症候群による痛みのある患者に対して、神経ブロックによる疼痛治療が可能か、専門家に相談することを推奨する。神経ブロックとしては、持続硬膜外ブロックや神経根ブロックがある。
,がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2010年版(2010),,,212

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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